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【横隔膜とは?①】呼吸が浅くて自律神経もやられているあなたに【インナーユニットとは?⑤】

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もし【インナーユニット】を四天王に例えるなら、【横隔膜】は一番最後に出てくる類の立ち位置だ。その能力は”自律神経の調整”や”呼吸の支配”など多岐にわたる。

「キクチさんが一番好きな筋肉はなんですか?」と聞かれたら、「う〜ん、、横隔膜か腸腰筋ですね……。」と悩んでしまうほど。

そんな超大切な筋肉、【横隔膜】について今回は解説していく。

横隔膜とは?

横隔膜とは腰椎・肋骨・胸骨にかけて付着するドーム状筋肉で、インナーユニットの形を円柱型のボックスに例えると、横隔膜はボックスの蓋の部分にあたる。

横隔膜の主な役割は吸気(息を吸う)だ。
息を吸う時、横隔膜が収縮=ドーム状の筋肉が下に下がる→肺のスペースが広がって息が入ってくる。

(ちなみに息を吐くためだけに働く筋肉はない。息を吐く時は横隔膜や肋間筋という体幹のいくつかの筋肉の収縮によって広がった肺が元の大きさ戻ろうとする力によって息を吐くことができる。ただ意識的に息を吐くことができるように前々回に紹介した腹横筋を含む体幹にある幾つかの筋肉が息を吐く補助として使われる)

「呼吸」は無意識でも行われるし、意識的にコントールすることもできる。
これは「横隔膜」を支配する「横隔神経」に”自律神経”と”体性神経”の2つが含まれているからだ。

「自律神経(=交感神経・副交感神経)」
→不随意神経=意識的にコントロールできない
→内臓に多い神経で、体の機能を無意識でも調整してくれる(寝てる時に心臓が止まったら大変だからね)

「体性神経(=感覚神経・運動神経)」
→随意神経=意識的にコントロールできる
→筋肉に多い神経で、体を意識に動かすことができるのはこの神経のおかげ(ライオンに襲われた時にダッシュで逃げられるように)

つまり本来”自律神経”は意識的にコントロールできず、現代社会では乱れがちで、乱れると様々な不調を引き起こす。
だけどそんな自律神経は”呼吸”によって調えることができる。なぜなら呼吸をするときに働く”横隔膜”に自律神経が含まれているからだ。

そしてインナーユニットとして横隔膜と連動する「骨盤底筋群・腹横筋・多裂筋」も”呼吸”と関連が深く、インナーユニットを働かせる鍵となるのが”呼吸”ということだ。

横隔膜が弱くなることで引き起こされる症状は?

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横隔膜も筋肉なので、肩や腰の筋肉と同じように弱くなるし、硬くなる。
不思議なことに「横隔膜、凝ってるな〜」と感じることはないが、横隔膜が弱ることによって引き起こされる問題はとても大きい。

横隔膜の弱化=呼吸が浅くなる

例えば、横隔膜が収縮することによって息を吸うことができるので、横隔膜が弱り収縮力が低下すると、呼吸が浅くなる。
呼吸が浅くなることによる影響はここでは書ききれないくらい大きいので、サクッと説明していく。

例えば酸素を取り込む量が減るので、血中酸素濃度が低下する。内臓にも筋肉にも必要な酸素が行き届かなくなるので、内臓や筋肉の機能が落ちる。
すると、

・筋肉の機能低下→筋肉硬くなり、動きづらくなる。肩こりや腰痛などになる
・腎臓の機能低下→むくみやすくなる
・肝臓の機能低下→疲れやすくなる。老ける
・心臓の機能低下→血流が悪化して冷えやすくなる
・脳の機能低下→眠い、ぼーっとする、頭痛
・眼の機能低下→視力が落ちる
・生殖器の機能低下→生理痛や生理不順
・脾臓の機能低下→血液の質が悪くなる。病気になりやすくなる

などなど、呼吸が浅くなるだけでもこれらの不調を招く可能性がある。

また横隔膜が収縮することにって、横隔膜の下にある肝臓や胃腸といった内臓がマッサージされる。
硬くなった筋肉を揉むことで血流が改善されて、筋肉の機能が向上するように、横隔膜によって内臓がマッサージされることによって、内臓の機能は向上する。

だから横隔膜が硬縮・弱化することで、横隔膜は収縮しにくくなり=横隔膜が下がりにくくなり=内臓がマッサージされにくくなり=内臓の機能が落ちる。

横隔膜の弱化=自律神経が乱れる

あとは最初に行ったように横隔膜は自律神経とも関連が深い。

横隔膜がちゃんと働く=深い呼吸ができれいれば、自然と自律神経が調い、心と体のバランスが取れる。
逆に横隔膜が弱る=呼吸が浅くなると、自律神経が乱れやすくなる。

自律神経が乱れることによって引き起こされる悪影響も、酸素摂取量の低下によって引き起こされる悪影響と同じようにいっぱいあるので、ここでは説明を省く。

そして横隔膜はインナーユニットの一つなので、横隔膜が弱ることで体が不安定になり、また様々な悪影響を及ぼすことは言うまでもない。

つまり「横隔膜はすごい大切な筋肉だし、横隔膜が弱ると身体にいろいろな不調が起きて、すごい厄介なことになる」ということだ。

なぜ横隔膜は弱くなってしまうのか?

最初にお話しした通り、横隔膜は呼吸をするとき=吸気時にメインで働く。
そして呼吸が深くなることで自律神経が調えられて、呼吸が浅くなると自律神経も乱れやすくなってしまう。

逆に言うと、「自律神経が乱れる・呼吸が浅くなる=横隔膜が弱化する」、ということだ。

ストレスで横隔膜は弱くなる

ではどんなときに自律神経は乱れ、呼吸が浅くなるのだろうか?

一番はストレス
例えば緊張している時や集中している時、イライラしている時などに呼吸が浅くなることを感じことはないだろうか?

自律神経は交感神経(活動モード)と副交感神経(リラックスモード)とに分けられ、その時の心情や感情によってシーソーに交感神経⇔副交感神経とを行き来している。

そして適度なストレスによって交感神経優位になり、仕事に集中することができたり、日中元気に過ごすことに役立つのだが、現代人は夜になってもスマホやテレビなどを見て交感神経優位になり、過度のストレスによって交感神経優位になり、もうずっと交感神経優位になりがちで、呼吸もずっと浅いままになっている。

呼吸が浅い状態が長ければ、横隔膜の機能も落ちる、つまり横隔膜は弱り、硬くなってしまう。

悪い姿勢で横隔膜は弱くなる

あとは姿勢による影響も大きい。
横隔膜を意識的に使ってする呼吸を腹式呼吸といい、腹式呼吸だと横隔膜がいっぱい下がり、内臓を押し、押された内臓は前に出てお腹が膨らむ。

だが女性に多い姿勢の一つ「反り腰」だと、すでにお腹が前に出ているため、横隔膜は収縮しづらくなる。
反対に座り仕事の人に多い「猫背」だと、背中が丸まって胸腔が狭くなっているので、横隔膜は弛緩しづらくなる(横隔膜は緩むと上に上がりドーム状に戻るが、胸郭が狭いとドーム状に戻るスペースがなくなってしまう)

つまり腰・背中を反りすぎても、丸めすぎても、横隔膜が機能しづらくなる。不良姿勢が横隔膜の弱化を招くということだ。

まとめ

「横隔膜の使い方・活性化させる方法」は次回の【横隔膜とは?②】でお伝えする。

ここまで読んでもらったらわかるとおり、横隔膜はそれはもう大切な筋肉だ。横隔膜に関してならいくらでも語り合いたい。

そして横隔膜を活性化する方法もいろいろあり、どれも簡単にできる。

横隔膜を活性化させるには、いかに呼吸を深くするかがポイントになる。
意識的に呼吸を深くするのはもちろんだが、呼吸を深くする考え方をする、呼吸が深くなる環境に整える、そして呼吸が深くなる横隔膜マッサージをする。

もう皆さまにもすぐに知ってほしい。
あなたが今感じている不調は横隔膜の弱化、呼吸の浅さによって引き起こされているかもしれないし、意識一つで解消されるものかもしれないからだ。