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肩こりの解消のために最低限知っておきたい「筋肉の作用・拮抗筋」について

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筋肉は「縮む」という性質があり、関節をまたいで骨から骨へと付着した筋肉が縮むことで、関節を動かすことができる。

筋肉が縮んだ時の関節の動き方を「筋肉の作用」という。

肩こりを引き起こす筋肉=「肩こり筋」の作用を知っておくと、肩こりを解消しやすくなる

なぜなら、肩こり筋と反対の作用を持つ筋肉=「拮抗筋」を緩めることで、肩こり筋も緩みやすくなるからだ。

今回は肩こりを解消する上で知っておきたい「筋肉の作用」と「拮抗筋」について解説する。

筋肉の作用とは?

以前の記事で関節の動き方を解説した。

関節の動き方についてはこちら▼
【肩こり解消法】関節の動きを知れば肩こり筋を簡単に緩められるようになる理由

関節は筋肉が縮むことによって動くので、「関節の動き」=「筋肉の作用」でもある。

例えば「肩甲骨の動き」は6つ。

  • 挙上・下制

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  • 内転・外転

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  • 上方回旋・下方回旋

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そして、肩こり筋の代表である【肩甲挙筋】の主な作用*1は「肩甲骨の挙上」、
菱形筋】の主な作用は「肩甲骨の内転」だ。

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もちろんこの他にも、肩甲骨や頚椎を動かすための筋肉とそれぞれの作用があるので、それらは最後に一覧にしてご紹介する。

筋肉の作用を覚え方

肩こりを解消する上で筋肉の作用を覚えておくと何かと便利なのだが、
「挙上とか上方回旋とか覚えられない!」という人は、「筋肉の付き方」をビジュアルで覚えておくと、作用もわかるようになる

どういうことかというと、まず筋肉の付き方に「起始・停止」というものがある。

「起始・停止」についてはこちら▼
【肩こり解消法】筋肉の付け根を狙えば肩こりが緩む理由【起始・停止とは?】

筋肉の付着部分のうち、背骨に近い方の付着部が「起始」、背骨から遠い方の付着部が「停止」だ。

そして停止が起始に近づくように動く=「筋肉の作用」だ。

例えば、【肩甲挙筋】は、
「頚椎上部(起始)」〜「肩甲骨内側上角(停止)に付着する。
だから肩甲骨を上げる(挙上)作用がある。

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また、【菱形筋】は、
「胸椎(起始)」〜「肩甲骨内側(停止)」に付着する。
だから肩甲骨を内側に寄せる作用がある。

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「いや、それでも分かりにくいです」という方は、よりシンプルに、

「肩甲骨の上にある筋肉」は肩甲骨を上げる(挙上)作用がある。
「肩甲骨の内側にある筋肉」は肩甲骨を内側に寄せる(内転)作用がある。
「頚椎の後ろ側にある筋肉」は首を後ろに倒す作用(伸展)がある。
「頚椎の右にある筋肉」は首を右に倒す作用(側屈)がある。

と覚えると分かり易い。*2

細かい作用や起始・停止を覚えてなくても、
「この筋肉はここからここに付いているな」というのがビジュアルでわかれば、その筋肉の作用までイメージできるようになる。

拮抗筋とは?

「で、それが肩こり解消の何の役に立つの?」という話。

肩こり筋は「その筋肉と反対の作用をもつ筋肉」=【拮抗筋】をほぐすと緩みやすい

例えば、【肩甲挙筋】や【菱形筋】は普段から酷使されてガチガチに硬直している。
すると、ストレッチをしてもテニスボールでほぐしても中々緩まないし、肩こりも楽にはならない。
そんな時に、それぞれの拮抗筋を緩めてみる。

例えば、
「肩甲骨の挙上」の作用をもつ【肩甲挙筋】を緩めるには、
「肩甲骨の下制」の作用をもつ拮抗筋=【僧帽筋(下部)】を緩める。

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「肩甲骨の内転」の作用をもつ【菱形筋】を緩めるには、
「肩甲骨の外転」の作用をもつ拮抗筋=【前鋸筋】を緩める。

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「いや、だから筋肉の名前とか作用とか覚えられないですよ〜」という人は、シンプルに、

肩甲骨の上にある肩こり筋(肩甲挙筋)を緩めるためには、
肩甲骨の下にある拮抗筋(僧帽筋下部)を緩める。
肩甲骨の内側にある肩こり筋(菱形筋)を緩めるには、
肩甲骨の外側にある拮抗筋(前鋸筋)を緩める。

という風に覚えておけばいい。

なぜ拮抗筋をほぐすと肩こりが解消するのか?

一言でいうと、「筋肉のバランスが取れるから」だ。

筋肉にはそれぞれ「適切な長さ」があるが、長時間悪い姿勢でいると、筋肉が「縮んだ状態で硬直」したり、「伸びた状態で硬直」してしまう。

筋肉の硬直についてはこちら▼
【肩こりの原因】ストレッチだけじゃ肩こりが解消しない理由【筋肉の硬直とは?】

そして、「縮んで硬直した筋肉」の拮抗筋は「伸びて硬直」しているし、
「伸びて硬直した筋肉」の拮抗筋は「縮んで硬直」している。

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例えば【肩甲挙筋】が縮んで硬直している場合。
その拮抗筋である【僧帽筋(下部)】は伸びて硬直する。

なぜなら、肩甲骨の上に付着する【肩甲挙筋】が縮んでいる時点で、肩甲骨の位置が上がる。
上がった分だけ肩甲骨の下に付着する【僧帽筋(下部)】は伸びざるおえないからだ。

だから【肩甲挙筋】をほぐすだけでは、拮抗筋である【僧帽筋(下部)】が伸びて硬直しているので、【肩甲挙筋】は縮みっぱなしになる。
するとまたすぐに肩こりになってしまう。

逆に、【肩甲挙筋】と合わせて【僧帽筋(下部)】を緩めると、それぞれの筋肉が「適切な長さ」になり、筋肉のバランスが取れるため、肩こりも解消されやすくなるのだ。 

肩こり筋と拮抗筋一覧

それでは最後に、肩こり筋と拮抗筋を、肩こり筋の多くが付着する「肩甲骨」と「頚椎」の作用ごとに一覧にしてまとめておく。

肩こりを解消するには下記の筋肉はもれなく緩めたほうがいいが、全部緩めるのがめんどくさい場合は、あなたが肩こりを感じる筋肉とその拮抗筋だけでも緩めるようにしよう。

肩甲骨の肩こり筋と拮抗筋

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以下の一覧を見てもわかる通り、肩こり筋は「肩甲骨の挙上・内転」の作用をもつ筋肉【肩甲挙筋・僧帽筋・菱形筋】であることが多い

肩こり筋を緩めても肩こりが解消されない場合は、拮抗筋である「肩甲骨の下制・外転」の作用をもつ筋肉【小胸筋・前鋸筋】も緩めよう。

肩甲骨の挙上 

  • 肩甲挙筋
  • 僧帽筋(上部)

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肩甲骨の下制

  • 僧帽筋(下部)
  • 小胸筋

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肩甲骨の内転

  • 菱形筋
  • 僧帽筋(中部)

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肩甲骨の外転

  • 前鋸筋

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肩甲骨の上方回旋

  • 僧帽筋

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肩甲骨の下方回旋

  • 菱形筋

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頚椎の肩こり筋と拮抗筋

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頚椎の動きに関わる筋肉では、「頚椎の伸展」の作用をもつ【頭板状筋】がとくに硬直しやすく、肩こりを引き起こしやすい

なぜならスマホやパソコン、家事や育児などで前に出た頭を四六時中支えるのが、首の後ろにある【頭板状筋】だからだ。

【頭板状筋】と、その拮抗筋である【斜角筋】をよく緩めよう。

頚椎の伸展

  • 頭板状筋

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頚椎の屈曲

  • 斜角筋

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頚椎の側屈

  • 胸鎖乳突筋
  • 斜角筋

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(拮抗筋は反対側の同じ筋肉)

頚椎の回旋

  • 胸鎖乳突筋
  • 頭板状筋

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まとめ

今回覚えておいてほしいことは一つ、
肩こり筋と拮抗筋を緩めると肩こりが解消しやすい」ということ。

肩甲骨の上に肩こりを感じるなら、肩甲骨の下も緩める。
肩甲骨の内側に肩こりを感じるなら、肩甲骨の外側も緩める。
首の後ろ側に肩こりを感じるなら、首の前側も緩める。
首と肩の付け根に肩こりを感じるなら、反対側の首と肩の付け根を緩める。

肩こり筋と拮抗筋の具体的な緩め方については、以下の記事参照▼
【肩こり解消法】関節の動きを知れば肩こり筋を簡単に緩められるようになる理由 

ストレッチポールを使って、肩甲骨と頚椎の肩こり筋と拮抗筋をいっぺんに緩める解消法を載せている。

拮抗筋は肩こりの関連筋の一部だ。
拮抗筋以外にも、肩こりは様々な筋肉が関係して引き起こされている。
肩こりを感じる部分だけでなく、関連筋を緩めることで、肩こりも解消しやすいことを覚えておこう。

あなたの肩こりが解消しますように。

*1:”主な”というように、一つの筋肉には複数の作用がある。だけど作用を全部覚えるのは大変なので主な作用を覚えるだけで十分だ。

*2:回旋系は色々な筋肉が連動して縮むのでもう少し複雑だ。