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肩こり解消のために最低限知っておきたい「筋肉の起始・停止」について

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筋肉を緩めるプロであるセラピストが必ず揉みほぐす「筋肉のポイント」がある。
それは筋肉の付け根=【起始・停止】だ。

筋肉の【起始・停止】を知ると、硬直した筋肉を緩めるのも、ストレッチで伸ばすのも自由自在になる。

今回は肩こりを解消する上でゼッタイに知っておきたい「筋肉の起始と停止について」、そして「起始・停止を活用して肩こりを解消する方法」を解説する。

筋肉の【起始・停止】とは?

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まずは簡単に筋肉の解説から。

筋肉は関節をまたいで骨から骨にかけて付着している。
関節をまたいでいる理由は、「関節を動かすため」だ。

筋肉はゴムのように「縮む」という性質があり、筋肉が縮むことで関節が曲がり、体を動かすことができる(画像参照)

筋肉はその場所によって名前が変わる。
筋肉の真ん中、ふくらんでいる部分を【筋腹】、骨に付着している端っこの白い部分を【】という。*1

そして筋肉の2つの付着部分のうち、背骨に近い方を【起始】、背骨から遠い方を【停止】という。

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筋肉が縮むと、筋肉の【停止】が【起始】に近づくように動く

例えば、肩こりの【関連筋*2と言われる【肩甲挙筋】の【起始】は頚椎の上部、【停止】は肩甲骨の内縁の上角だ。
だから【肩甲挙筋】が縮むと、肩甲骨が頚椎に近づくように動き、肩が上がる。*3

なぜ【起始・停止】をほぐすと肩こりが解消するのか?

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「で、この起始と停止が肩こり解消とどんな関係があるの?」という話だ。
結論から言うと、硬直した筋肉は【起始・停止】をほぐすと緩みやすい

なぜ【起始・停止】をほぐすと緩みやすいのかは、運動会などで行う「綱引き」を例にするとわかりやすい。

「硬直した筋肉」とは、いわば「綱引きでピンっと張った状態の綱」のようなものだ。
綱が両端から引っ張られてピンっと張っているように、筋肉も【起始・停止】から引っ張られてピンっと硬直している。

あなたが「ピンっと張った綱」を緩めたい場合、どうするだろうか?
「綱」本体を押しても引いても緩まないであろうことは目に見えているので、綱を引っ張っている「持ち手の部分」を緩めようとするのではないだろうか?

同じように、硬直した筋肉を緩める場合も、筋肉の持ち手である【起始・停止】、つまり上の画像でいう、骨のキワの白い部分(腱)をほぐすと緩みやすいのだ。

僕がセラピストとしてお客様の肩こりをほぐす場合。
ヒアリングをして、お客様が「とにかく気持ちよくほぐしてほしい」という場合は、筋肉が凝っている部分や筋腹をほぐしていくが、「肩こりを楽にしてほしい」という場合は、肩こりの原因筋の【起始・停止】をほぐすことが多い。

場合によっては「肩こりを感じている部分」をほとんど触らずでも、「肩こり、楽になりました!」という方もいるくらいだ。

「肩こりを感じる部位」に惑わされずに、【起始・停止】を見定めながら硬直した筋肉を緩めよう。

肩こりを解消する方法

では具体的に【起始・停止】にアプローチして肩こりを解消するためにはどうすればいいのか?
簡潔に言うと【起始・停止】のある「骨のキワ」に刺激を与えればいい

今回はテニスボールを活用した「ボールマッサージ」で【肩甲挙筋】を緩める方法を2つご紹介する。

テニスボールで肩甲挙筋を緩める方法①

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  1. 仰向けに寝て、肩甲骨のキワ・肩甲挙筋の停止部にテニスボールを置く
    →強すぎる刺激は逆に筋肉を硬直させる*4。ボールが一個で痛い場合は、二個用意して肩甲骨のキワに置こう(上の画像参照)。肩甲挙筋の下の菱形筋にも刺激を与えることができる。
    →腕を自分の体に覆いかぶせるように肘を前に出すと、肩甲骨が開いてよりキワのキワに刺激が入りやすい。

  2. そのままリラックスをすると、体重の重みで肩甲挙筋の停止部に刺激が入る
    →深呼吸をしてキープする、または肩甲骨が動くように腕を大きく動かすと、肩甲挙筋に刺激が入る。

テニスボールで肩甲挙筋を緩める方法②

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  1. 仰向けに寝て、首の上部=肩甲挙筋の起始部にテニスボールを置く
    →斜面があってテニスボールがずれやすいので、枕など柔らかいものの上にテニスボールを置くとずれにくい。

  2. そのままリラックスすると、頭の重みで肩甲挙筋の起始部に刺激が入る
    →深呼吸をしてキープする、または頭を左右に揺するように少しだけ動かす。

「ボールマッサージ」は【肩甲挙筋】以外の筋肉にも応用ができる。
【菱形筋】を緩めたければ、「背骨のキワ(起始)」や「肩甲骨のキワ(停止)」にボールを置く。
【頭板状筋】を緩めたければ、「背骨のキワ(起始)」や「頭蓋骨のキワ(停止)」にボールを置く。

肩こり筋の【起始・停止】を確認して、テニスボールおき、体重を乗せるだけ。
とても簡単な肩こり解消法だ。

「ボールマッサージ」のポイントは、「痛くない範囲でやること」だ。
先ほども言った通り、「強すぎる刺激」は逆に筋肉を緊張させる。
あなたの筋肉量や硬さにもよるが、基本的には「痛気持ちいい」程度の刺激に調整しながら、ボールの数を増やしたり、ボールを置く位置を調整しよう。

 

【起始・停止】を意識してストレッチをする

あなたは、「見本通りにストレッチをしているのに、なんか伸びている感じがしない」と感じることはないだろうか?

ストレッチはちょっとした伸ばし方の違いで、伸びる位置が大きく変わってしまう。
もしストレッチで肩こり筋に効かせたいのなら、伸ばしたい筋肉の【起始・停止】を意識してストレッチをしよう

肩こりに効くストレッチ

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上の画像は首の後ろ=肩こり筋である【頭板状筋】のストレッチだ。

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だがこのストレッチも、【起始・停止】を意識しなければ【頭板状筋】に効かせることはできず、背中や腰の筋肉に効いてしまうことがある。

上の画像のようなストレッチで頭板状筋に効かせるなら、以下の2つのポイントを意識しよう。

  • 手は後頭部でちゃんと組む。手を組む位置は後頭部の出っ張りの少し上で
    手を組む位置が後頭部の出っ張りよりも下だと、頭を前に倒しづらくなる。すると頭板状筋の起始・停止が離れず、首の後ろがうまく伸びない。
    より頭が前に倒れやすいように、手は後頭部の少し上で組み、頭と腕の重みで頭をしっかりと前に倒そう。

  • 背筋を伸ばす
    背中を丸めると頭板状筋よりも背中の筋肉が伸びてしまう。
    背筋を伸ばして、起始を基点にして頭を前に倒すと、より頭板状筋が伸びやすい。

人間の体の形は個人個人で微妙に違う。だから本やネットに描かれている通りにストレッチをしても、伸ばしたい筋肉をうまく伸ばせない時もある。

ストレッチで狙った筋肉にしっかりと効かせるには、狙った筋肉の【起始・停止】を確認して、【起始・停止】が遠ざかるように、姿勢や角度を調整すると伸びやすい

まとめ

今回覚えておいてほしいのは3つ。

  • 筋肉の付着部、背骨に近い方を【起始】、背骨から遠い方を【停止】という
  • 硬直した筋肉は【起始・停止】をほぐすと緩みやすい
  • ストレッチは伸ばしたい筋肉の【起始・停止】を遠ざける意識で行うと伸びやすい

肩こりを解消するためには、「肩こりを引き起こしている=”肩こり筋”はどんな筋肉なのか?」を理解することだ。

肩こり筋がどんな形をして、どこからどこに付着しているのかを理解できれば、肩こり筋を緩めるのも、動かすのも、鍛えるのも自由自在になる。

記事には肩こり筋の画像をふんだんに載せているので、
「この肩こり筋はこんな形をしているのか」
「起始・停止はこの辺か」
と、なんとなくでもいいので確認しておくと、チューニングをするときにイメージしやすくなる。
イメージをできればより狙った筋肉に望んだ効果を感じられるようになるのだ。

あなたの肩こりが解消しますように。

*1:ちなみに、人体最大最強の腱がアキレス腱だ。「アキレス」という名前は、ギリシア神話に出てくる英雄の「アキレウス」から取られているくらい、最強だ。

*2:【関連筋】について、詳しくは前回の記事参照・【肩こりの原因】肩をほぐすだけじゃ肩こりが解消しない理由【原因筋と関連筋とは?】

*3:この動きを「肩甲骨の挙上」という。「肩甲骨を挙上させる筋肉」で【肩甲挙筋】。とてもわかりやすいネーミングだ。

*4:詳しくはこちらの記事:肩こりの原因を徹底解説をご覧ください。