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【腹横筋とは?】腰痛やぽっこりお腹が気になるあなたに【インナーユニットとは?③】

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肩こり、腰痛、冷え性、むくみ、生理痛、頭痛、慢性疲労。
これらの不調は【インナーユニット】と呼ばれる腹腔にある4つの筋肉のいずれかが弱ることで引き起こされる。

【インナーユニット】とは腹腔を前後左右上下から囲む4つの筋肉のことを指す。4つの筋肉にはそれぞれ役割があり、弱化することで引き起こされる症状も変わる。
今回はインナーユニットの一つ、「腹横筋」について説明しよう。

腹横筋とは?

腹横筋はお腹周りを前から後ろにぐるっと囲んでいる筋肉だ。
上は肋骨に、下は骨盤に付着して、お腹周りをコルセットのように囲み、体幹をキュッと安定させている。

インナーユニットの働きが「”腹腔内圧”を高めて脊柱や骨盤を正しい位置に保ち、体幹を安定させる」ということは以前の記事で伝えたが、この”腹腔内圧”をメインで高める働きをしているのが腹横筋だ。

腹腔内圧とは?

では”腹腔内圧”とは何なのか?

まず”内圧”というのが、”内側からの圧力”というイメージ。
例えば直径30センチくらいのゴムボールがあったとして、それを手でギューって潰すと、ボールの中から手を押し返す力が生まれる。
これが”内圧”だ。
内圧によって、手を離すとボールは元の形に戻る。

そして体には”腔”というボールのような空間がある。

鼻の奥にあるのが”鼻腔”。
胸にあるのが”胸腔”。
お腹にあるのが”腹腔”。

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出典:Ballet yoga

そして”腹腔”を囲んでいるのが我らがインナーユニットだ。
つまり”腹圧が高まる”というのは、手でボールを潰すように、インナーユニットがキュッと締まり腹腔を外から圧迫することによって、腹腔の内側の圧力が高まっている状態をあらわす。

インナーユニットという4つの手があるとしたら、”一番強い力”というか”幅”で腹腔をキュッとするのが腹横筋だ。
とくに息を吐く時にお腹が凹むように、息を吐く時に腹横筋が収縮して、腹圧が高まる。腹圧が高まることで、コルセットが締まるように、体幹が安定する。

腹横筋が弱くなると引き起こされる症状は?

だが腹圧をメインで高めるはずの腹横筋が弱ってしまうと、コルセットがゆるゆるになるように体幹が不安定になる。
体幹が不安定になれば姿勢を保つことが難しくなるので、姿勢が悪くなる。

とくに腹横筋弱化による姿勢不良と言えば、女性に多い”反り腰”が思い浮かぶ。
前からキュッと締める力が弱いから、お腹が前に出て、腰が反り、腰が痛くなる。

また腹横筋は前だけでなく横や後ろにもぐるっとくっついているので、弱くゆるゆるになると体が傾いてしまう。
そして”腰が反る”ということは、お腹が前に出ることも表してるので、”ぽっこりお腹”の原因にもなるだろう。

また”息を吐く時に腹横筋が収縮して”といったように、腹横筋が弱るということは、息をちゃんと吐き切ることができなくなるということだ。
息を吐き切ることができないということは、新鮮な息を吸うことができないということ。
つまり酸素摂取量が減り、代謝も落ちる。
腹横筋が弱ることで、太りやすくなったり、疲れやすくなってしまうかもしれないということだ。

なぜ腹横筋は弱くなってしまうのか?

ではどうして腹横筋は弱ってしまうのか?

これは先に挙げた症状が、そのまま原因につながっていると考えるとわかりやすい。

例えば「体幹を安定させる」という役割があるのに、”ふかふかのソファに座る”、”腰や背中を丸めてだらしなく座る”と、体幹を安定させる必要がないので、腹横筋はどんどん弱る。そして本当に必要な時に働かなくなってしまう。

また「反り腰」は”腰が縮んで、お腹が伸びた状態”だ。
筋肉は”縮む”という性質を持っているため、”伸ばされる”とどんどん弱くなる。
だからお腹が伸びる→腹横筋が伸ばされた状態が長いと、腹横筋はどんどん弱くなる。

”正しい姿勢”を意識する時に、女性は腰を反って背筋を伸ばす傾向があり、この意識によって反り腰が作られる。
つまり「腹横筋が弱るから反り腰になる」のではなく「反り腰だから腹横筋が弱くなる」ということだ。

あとは内ももの筋肉が弱かったり、骨盤底筋群が弱いと、足を組みたくなる。
足を閉じる力が弱い、もしくは骨盤が不安定だから、足を組んで骨盤を安定させようとするからだ。
だが足を組むと体が傾いてしまい、片方の腹横筋の左右バランスが悪くなってしまう。
つまり片方の腹横筋が縮み、片方の腹横筋が伸びる形になり、足を組んでいないときでも体が傾いてしまう。
写真を撮る時に「あれ、体傾いてますよ?」と言われかねないだろう。

そして”ぽっこりお腹”は食べ過ぎでもなる。
ご飯が美味しくていっぱいたべていると、胃腸が下垂して、お腹を中から押す。そしてお腹がぽっこりする。
先にいったように、筋肉は伸ばされるとどんどん弱化していくので、食べ過ぎでお腹がぽっこりすることでも、腹横筋が引き伸ばされて、弱化する。

あとは「腹横筋が弱ることで息を吐けなくなる」ように、「息を吐かないから腹横筋が弱くなる」、というのも考えられる。

呼吸は自律神経と深い関わりがある。
自律神経は活動モードの交感神経と、リラックスモードの副交感神経に分けられ、交感神経優位だと、呼吸が浅く、早くなり、リラックスモードだと、呼吸が深く、ゆっくりになる。
交感神経優位にしたければ、吸気(吸う息)に意識を向け、副交感神経優位にしたければ、呼気(吐く息)に意識を向ければいい。

そしてこの忙しない世の中だと、交感神経優位の活動モードになりがちだ。
呼吸が浅く、早くなり、息を吐くことも忘れてしまう。
つまり活動モードが長いから息を吐かなくなり、息を吐かないから腹横筋が弱くなるということだ。

腹横筋の使い方は?

ではどうすれば腹横筋を使うことができるのか?

【腹横筋の使い方】
①骨盤底筋群を締める(両坐骨・恥骨・尾骨を真ん中に寄せるイメージでキュッとお尻を締める)
②息を吐きながらお腹をかるーく凹ませる
③お腹から腰まわりまで、前後左右斜めの全方向で凹ませる

これだけ。

骨盤底筋群を締めると、下腹部(おへその下らへん)の奥にジワーと力が入るのを感じられると思う。これだけで腹横筋の下半分は使えている。
(インナーユニットはその名の通り、4つの筋肉の付着部分が”ユニット=結合”しているので、骨盤底筋群を締めることと連動して、腹横筋も締まる)

次に息を吐くことと合わせてお腹を軽く凹ませる。すると腹横筋を前側を締めることができる。
ただ腹横筋はお腹から腰までぐるっと囲んでいる筋肉なので、前側だけでなく、横も後ろも斜めも締める。

ポイントは骨盤底筋群を締めるときと同じく、「かる〜く締める意識」だ。
あまり力強くお腹を凹ませると、腹筋群の中でも「腹直筋」というお腹の表面にあるアウターマッスルをメインで使うことになり、インナーマッスルである腹横筋が活性化しづらくなる。

そして腹横筋は息を吐く時に使いやすいので、息を吐きながらキューッと凹ませると、より腹横筋を使いやすい。

「これだけ。」とは言ったが、これが意外と難しい。
変に「凹ませよう!」と思うと、腹横筋の表面にある腹直筋にメインで力が入ってしまい、腹横筋をうまく鍛えることができない。
またお腹の前側だけでなく、横や後ろも締める意識なんて普段あまりしないから、慣れるまではよくわからないかもしれない。

もし全方向から締める意識が難しければ、フェイスタオルの力を借りるのもいいかもしれない。
フェイスタオルを縦半分に折り、腰からお腹に巻きつけて、フェイスタオルをキューッと締める。
軽く締め付けられた感覚をそのままに、腹横筋を締める。
するとなんとなく「腹横筋を全方向で締める」という意識がわかるかもしれない。

腹横筋をいい感じに締め、それを継続すれば、自然と姿勢が美しくなり、お腹が凹み、疲れにくくなるだろう。

まとめ

腹横筋やインナーユニットを含め、基本的にインナーマッスルを使う意識はわかりづらい。
なぜなら体の奥深くにある筋肉なので、意識を向けづらいからだ。

それにアウターマッスルなら”体を動かす”というのがメインの役割なので、体が動けば使えていることになるが、インナーマッスルは”体を安定させる”という役割なので、「今、安定しているの?どうなの?」となる。

だからインナーユニットを使うにしても、インナーマッスルを使うにしても、あまり神経質になりすぎずに、トライし続けるのが一番だ。
ゆるーくやり続けていれば、きっと効果を感じられるようになる。

自分の体の声を聞きながら、腹横筋の声を聞きながら、じっくりと取り組んでみよう。